「うん、だけどね。僕はたとえそうであってもいいと思うんだよ。たとえ僕自身が死のうとも君さえ生きていればどうせ、君が死ねば僕も死んだも同然なのだし」
やわらかく微笑みながら残酷なことをいう美しい人を、呆然と見やった。
「だからもしも、君の心臓が止まったら僕の心臓をあげる」
ぽ た
大粒の涙が地面におちてすいこまれる。美しい人は、俺の頬をぺろりと嘗めた。
「もったいない」
君の涙なんて尊いものを地に帰してしまうなんてなんてもったいないんだろう。
「ひば、りさ」
「うん」
「そんなこと、いわないで」
俺がいなかったら死んだも同じだってあなたは言ったけれど、俺だってあなたがいなかったら死んだようなものなんだ。
「じゃあ、死なないでよ。傷つかないで。死ぬ時は、同時にだ」
ああそんな無茶。でもそうなったら素敵。俺は深いキスを受けながらそう思うんだ。
あとがき
もっとほのぼの甘々、にする予定だったのに、どうしてこうなったか。自分でも謎すぎる。
精進しよう……。
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