「うぐっ!?」
口の中に唐突に何かつめこまれた。
「噛んで」
言われるままに咀嚼する。口の中にじわ、と甘みが広がった。
「? なんです、これ」
ごくり、と飲み込んでから尋ねた。ひばりさんは「うん」と言っただけで要領を得ない。
「どうだった?」
「え、今の、ですか?」
「うん」
スポンジのようなものに染み込んだ、蜂蜜と仄かにお酒。それから、レモン?の香り、がして。
「美味しかったですよ」
「そう」
ほ、と息をついて雲雀さんは微笑んだ。
(ぐ、あ)
眩しい。神々しい。破壊力、満点。
あの毒のある笑みはどこへ!人を小ばかにした笑みはどこへ!
やったら純粋な笑みが逆に怖い!綺麗過ぎて怖い!
つーか、今のケーキに何の意味が?
「えーと、なんで応接室にケーキが?」
すると雲雀さんは目を大きく開いて、ちょっと視線をそらして。
「……今日、何の日だか、覚えてる?」
「きょう、ですか?えーっと」
あ、
「3月、14日……」
「もらった身としては、お返し、しなきゃね」
う、うわーうわー!!は、はずかしい!うん、いやバレンタインも恥ずかしかったけど、あれ!?
顔がほてる。きっとまっか。
だって、まさかまさか、雲雀さんがお返し!ぜんぜん期待してなかったのに!
ちろ、と雲雀さんをみた。……あ、耳赤い。
「え、えへへへへへへへ」
「……なに笑ってるの」
「なんでもないです。えへへ」
「へんなこ」
「はい」
しばらく笑っていたら、また口の中にあのケーキを入れられた。また、じゅわ、と広がる甘み。
それが、さっきより甘く感じた。
あとがき
……うん。あれー?
ほんとうはリボーン先生も出す予定でしたホワイトデー話。……予定は未定ってすばらしい言葉だよね!!
あのケーキ、雲雀さんが作ったと言う設定を入れるかどうか迷った。
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