心の内が病んでいる。
それを自ら自覚するほどそれは外にも表れていた。むしろそれを自覚したのは他人に言われたからで、指摘したのは骸がこの世でもっとも愛して憎んで縋って厭って敬い忌み尊びさげずむ沢田綱吉だった。それを言われた時、そばには彼の家庭教師であるアルコバレーノと右腕を名乗る獄寺隼人がいたが、骸はそれを忘れて唖然とし、臆面もなくぼろぼろと泣いた後、彼のアジトのエントランスを半壊させ、一週間はつかえなくさせた。骸を止めたのは沢田綱吉の恋人だった。つまり、雲雀恭弥。錯乱状態の骸を素手でやすやすと止め、後ろ手にひねりあげて頭を殴った後、馬鹿だあほだどうしようもないあの子が怪我するところだったよ全くさっさとくたばってしまえと罵って、それからへたり込む骸にホットレモネードを渡して飲め、といった。素直に口をつけたらやたら甘ったるく、これはもうたんに蜂蜜をお湯に溶かしただけの代物だ、といったらまた殴られた。沢田綱吉の作ったものだった。
「あの子に危害を加えたら許さないよ」
同じものを飲みながらそう言う雲雀に、骸は悄然とうなだれて呟いた。
「僕だって愛されたい」
沢田綱吉だって同じなのに、心が病んでるのはおんなじなのに、僕だって誰かに愛されたい。
25にもなって、いい大人が駄々をこねる姿に、雲雀ははあ、とため息をついて、小さな子供にするようによしよし、と骸の頭をなでた。
「探しな。どっかにいるから、そいつを探しな。さがして、『愛してくれ』って叫べばいい。そいつが本当にそうなら、愛してくれるさ。」
まあ、そろそろ来そうな気もするけどね、向こうから。
雲雀はにやり、と笑って憐れむように骸を見た。
きょとんとした骸に、金色の愛が抱きついてくるまで、あと10分。
あとがき
なんつーか書いた本人がヒバムクにしか見えないけど、とりあえずヒバツナでディノムクと主張しておく。一体何人の方が信用してくださるだろうか。私、とっても不安です。
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