「ふふふふふ………」
不気味に笑う、ドン・ボンゴレ。
引く。
「へえ、はあ、ふうん、あはははは……よくも人の休みをつぶしてくれたよねえ」
あれ?俺らのボスってこんな性格だったっけ?と彼の後ろで着々と戦闘準備を進める部下の皆さんは首をかしげる。いつもはやさしげににこにこと笑って、たとえ急な仕事が入っても文句一つ言わずに黙々と仕事に取り組む人だったはずなんだけれども。こんな黒い笑み浮かべるような人じゃなかったはずなんだけれども。
おずおずと獄寺が綱吉に声を掛ける。
「……じゅ、十代目、あの、」
「俺一人で行く。みんなはこぼれた奴だけ殺ればいいから」
「はい!?」
いくらなんでも無茶だ、と言おうとした獄寺は、自分の上司の目が、据わりきっているのを見ておもわず一歩さがる。怖い。
それを見ていたリボーンは、深く大きなため息をついてから、獄寺を手招きした。自分の傍までやってきた獄寺に耳打ちする。
「……今日はあいつの好きにさせてやれ」
「え、リボーンさん!?」
「いいから。……もしあいつの射程距離に入ってみろ、今日ばっかりは敵味方関係なしに消し炭にされるぞ」
そんなまさか。しかしあの死ぬ気モードでもないのに据わりきった目とすさんだ雰囲気がリボーンの言葉の信憑性を高めている。困惑する獄寺の耳に、ついにぷっちんときた綱吉の叫びが聞こえた。
「ひとのっ……3ヶ月ぶりのデート邪魔しやがってばっかやろーっ!!」
そんなことか!!と何も知らない者たちが脱力し、彼の恋人を知るものが納得する。
……きっと、次の休みがかぶる日まで数ヶ月かかるんだろうなあ。
彼の黒髪の恋人を思い出して遠い目の幹部たちはせめて邪魔にならないようにと後方支援に全力を尽くそうと決めた。
結局、一週間はかかるであろうと予測された抗争が一日で終わり、このことでドン・ボンゴレの権威が強まった、というのはべつの話である。
あとがき
ヒバツナなのに雲雀のひの字もでなかった。でも、ヒバツナ。
うん、デート当日にけんか吹っかけられたの。うん。
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